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業務用エアコンのサーモ(サーミスタ)不良:原因と修理方法を解説

業務用エアコンのサーモ(サーミスタ)不良:原因と修理方法を解説のアイキャッチ

業務用エアコンでこんなトラブルはありませんか?

  • 冷暖房の効きが悪い・設定温度にならない
  • リモコンにエラーコードが表示される
  • 運転が途中で止まる、風が安定しない

これらの原因は、温度センサーである「サーミスタ(サーモ)」の不良かもしれません。

本記事では、サーミスタの仕組み・故障時の症状・エラーコードの見分け方・修理費用・予防メンテナンスまでをわかりやすく解説しています早期発見・正しい対処法を知ることで、エアコンの寿命延長と安定稼働を実現できます。

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業務用エアコンのサーミスタ(サーモ)の役割と仕組み

業務用エアコンのサーミスタ(サーモ)の役割と仕組み

サーミスタとは、温度変化によって電気抵抗が変わる性質を利用した温度センサーです。業務用エアコンではこのサーミスタが、室内機や室外機のさまざまな箇所に取り付けられ、温度を検知しながら冷媒の流量や圧縮機の運転を制御しています

たとえば、室内サーミスタは室温を感知し、設定温度との差をもとに冷暖房の出力を調整します。室外サーミスタは外気温や熱交換器の温度を検知し、効率的な冷媒制御をサポートします。

このように、エアコンの「頭脳」ともいえる制御基板と連動して、サーミスタは常に運転状況を監視しているのです。

サーミスタの仕組み

「温度変化 → 抵抗値変化 → 基板が信号を解析 → 圧縮機の出力を制御」という流れで運転を最適化しています。

つまり、この部品が故障すると、正しい温度制御ができなくなり、冷暖房の効きが悪い・温度が安定しない・運転が止まるなどの不具合が生じます

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サーミスタ不良の主な症状とエラーサイン

サーミスタの異常は、表面的には「効きが悪い」「設定温度にならない」といった症状で現れますが、内部では温度制御信号に誤差が生じています。

ここでは、代表的な症状とエラーサインを整理します。

冷暖房が効かない・設定温度にならない

もっともよくあるのが、設定温度まで冷えない・暖まらないというトラブルです。これは、サーミスタが実際の温度より高く(または低く)検知していることが原因です。誤検知により圧縮機が早めに停止し、結果的に室温が安定しません

運転ランプの点滅・エラーコード表示

業務用エアコンはリモコンや本体にエラーコードを表示する仕組みがあります。

サーミスタ系統のエラーはメーカーごとに異なりますが、代表的な例として以下が挙げられます。

メーカー

主なエラーコード

内容

ダイキン

U4/F3/A3

室内外通信エラー・温度センサー異常

三菱電機

E5/P1

サーミスタ断線・短絡

日立

P4/F2

室内熱交換器温度異常

パナソニック

H15/F98

室外機温度センサー異常

こうしたコードが出た場合、単なる設定ミスではなく部品劣化・配線不良の可能性が高く、放置すると機器全体の負荷が増加します

風量や風温が不安定になる

冷暖房中に風が急に弱くなったり、温風・冷風の温度が一定でなくなる場合も、サーミスタ不良が関係します。温度検知が狂うことで制御基板が誤作動を起こし、ファンや圧縮機の運転が頻繁にON/OFFを繰り返すためです。

室外機が止まる・ブレーカーが落ちる

制御異常が続くと、室外機側のコンプレッサーが誤作動を起こし、過負荷によって保護装置(過電流・過熱センサー)が作動することもあります。これが続くと基板損傷につながり、修理費用が高額化します。

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業務用エアコンのサーミスタ不良が起きる原因

サーミスタは小さな電子部品ですが、長期間の使用環境によってさまざまな要因で劣化や破損が進みます。

代表的な原因を見ていきましょう。

① 経年劣化による抵抗値変化

サーミスタは温度変化に応じて抵抗値が変化する性質を持ちますが、経年でこの値がズレることがあります。抵抗値が正しく変化しないと、制御基板が「異常温度」と判断し、誤動作を引き起こします。

おおむね8〜10年を超えると劣化リスクが増加します。

② 結露や汚れの付着による検知誤差

熱交換器や配管まわりのサーミスタは、結露やホコリ・油煙などが付着しやすく、これが絶縁性を下げて誤検知を起こします。

特に飲食店や工場など油分を含む環境では、センサー表面に汚れが付着して熱伝達が悪化します。

③ 配線・コネクタの断線や接触不良

室内機と室外機をつなぐ配線やサーミスタのコネクタ部は、振動や熱で緩むことがあります。

断線や腐食が起きると、信号が途絶しリモコンにエラーが表示されることもあります。

④ 熱交換器や内部の汚れ

熱交換器がホコリやカビで詰まると、サーミスタが正常な温度を感知できなくなります。

センサー自体が故障していなくても、汚れによる温度ムラが誤検知の原因になることがあります。

⑤ 設置環境の影響

寒冷地・高湿度・塩害地域などの過酷な環境では、金属端子が腐食しやすくサーミスタの寿命が短くなります。

厨房などの高温環境では内部温度が上がり、絶縁体の劣化が早まります。

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サーミスタ不良の確認方法(安全にできる範囲と注意点)

サーミスタ不良を疑う場合でも、資格のない人が分解や測定を行うのは非常に危険です。まずは安全を最優先に、確認できる範囲と専門業者に任せるべき範囲を整理しましょう。

無資格者でもできる確認ポイント

以下の項目は、電源を切った状態であれば安全に確認できます。

リモコンのエラーコード表示を確認:
ダイキンでは「U4」「F3」、三菱電機では「E5」「P1」、日立では「P4」など、温度検知や通信異常を示すコードが点滅します。
取扱説明書で該当コードを確認することで、サーミスタや配線異常の可能性を判断できます。

運転状態・設定温度の挙動を観察:
設定温度を変えても反応が遅い、あるいは急に冷風や温風が止まるときは、温度センサーの誤作動が疑われます。

外観・環境のチェック:
室内機の吸込口が汚れていたり、室外機の通風口が塞がれていると、温度検知に誤差が出ます。まずはフィルター清掃や吸排気の確保を行いましょう。

無資格者がやってはいけないこと

  • サーミスタや基板に直接触れる
  • 抵抗値を測るためにテスターやメガーを使う
  • コネクタや配線を抜き差しする
  • 室外機のカバーを開ける

これらは電気工事士・冷媒技術者の資格が必要です。誤って触ると感電や基板破損につながる恐れがあるため、必ず専門業者に依頼してください

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サーミスタ修理・交換の流れと費用相場

サーミスタ修理・交換の流れと費用相場

サーミスタの修理や交換は、基本的に点検→原因特定→部品交換→試運転の流れで行われます。メーカーや機種により異なりますが、一般的な流れを以下に整理します。

修理・交換の一般的な流れ

  1. 事前ヒアリング:症状やエラーコード、設置環境を確認

  2. 絶縁抵抗・抵抗値測定:サーミスタの異常値を確認

  3. 原因箇所の特定:室内機・室外機・基板・配線など

  4. 部品交換:対象のサーミスタを新品に交換

  5. 動作試験:運転状態・設定温度・風量などを確認

  6. 報告書提出と再発防止策の提案

作業自体は1〜2時間ほどで完了することが多いですが、部品の在庫やメーカー手配によっては数日かかる場合もあります。

費用相場の目安

作業内容

費用相場(税込)

所要時間

備考

室内サーミスタ交換

約1〜3万円

約1時間

比較的軽微な修理

室外サーミスタ交換

約2〜5万円

約1.5時間

環境要因(結露・塩害)で多い

基板同時交換

約5〜10万円

約2時間

経年劣化や通信不良を伴う場合

全面点検+クリーニング

約2〜4万円

1〜2時間

年次メンテナンスに推奨

※同時に他の部品(圧縮機や基板)も劣化している場合、追加費用が発生します。
※メーカー保証期間(通常1年〜3年)内であれば、無償または減額対応されることがあります。

修理後に確認すべきポイント

修理が完了したら、以下の3点を確認しておくと安心です。

  • 設定温度と実際の室温が安定しているか
  • 風量や風温にムラがないか
  • エラーコードが再表示されないか

修理後も温度ムラが続く場合、熱交換器の汚れや冷媒ガスの不足が関係している可能性があります。

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業務用エアコンのサーミスタ不良を防ぐためのメンテナンス対策

サーミスタは「目に見えない部分」でありながら、定期的な点検・清掃によって寿命を大きく延ばすことができます。

ここでは予防メンテナンスのポイントを紹介します。

1. フィルター・熱交換器の清掃

室内機のフィルターや熱交換器にホコリが溜まると、空気の流れが悪くなり温度検知に誤差が生じます。月1回のフィルター清掃、年1〜2回の専門業者による内部洗浄が理想的です。

2. 設置環境の改善

高湿度・油煙・塩害地域では、サーミスタやコネクタが腐食しやすくなります。

  • 防滴カバーや日除けの設置
  • 定期的な通風経路の確保
  • 厨房などでは防油仕様の室内機導入

といった対策を取ることで、故障リスクを減らせます。

3. 定期点検の実施

業務用エアコンは、年に1〜2回の点検を推奨しています。点検では、絶縁抵抗や端子の締め直し、配線劣化の有無などを確認します。

サーミスタの抵抗値や基板通信もチェックし、異常があれば早期交換でトラブルを未然に防ぎます

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まとめ|サーミスタ不良は早期発見が鍵

業務用エアコンのサーミスタ(温度センサー)は、冷暖房制御の中核を担う重要部品です。
劣化や汚れ、配線不良などで誤検知が起こると、温度が安定しない・エラーが頻発する・効率が落ちるといったトラブルにつながります

異常を感じたら無理に再運転せず、まずはリモコンのエラーコード確認と専門業者への連絡を行いましょう。早期の修理・交換によって、エアコンの寿命延長と電気代削減、そして快適な空調環境を維持できます。

もし「設定温度にならない」「エラーコードが消えない」などの症状が続く場合は、サーミスタ不良や基板異常の可能性があります。

無資格での分解は危険です!

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ABOUT ME
椋木 数馬
【監修者】:椋木 数馬 【所属】:株式会社アイドットコム | 営業課長 【経歴】:ビルメンテナンス業に従事したのち、空調コンシェルジュとして活躍 【資格】:空調コンシェルジュ 【プロフィール文】: 長年にわたりテナントビルや商業施設の空調部門に携わり、多くの施設が抱える空調に関する課題を的確に解決。複雑な設備のトラブルシューティングから省エネ対策の提案まで、多岐にわたる実績をもつ。2018年から空調機器販売のアイドットコムに所属し、顧客ごとのニーズに合わせた最適なソリューションを提案する空調コンシェルジュとして活躍中。多くのお客様から高い評価を得ています。 好きな食べ物はアサイーボウル。