業務用エアコンの風が弱くなったり、水漏れが起きたりしていませんか?
それは、吸込口の詰まりが原因かもしれません。
例えばこんな症状があるときは要注意です。
- 吸い込み口にホコリが溜まり、風が出にくい
- 冷暖房が効かず、運転音が大きい
- 室内機から水滴が垂れる
これらは、フィルターの目詰まりや内部の汚れ・水分の堆積によって空気の流れが悪くなっているサインです。
この記事では、吸込口が詰まる原因と自分でできる掃除・改善手順、そして業者に依頼すべき判断基準を解説します。清掃を適切に行うことで、風量を回復し、省エネ運転で電気代を抑える方法がわかります。
業務用エアコンの吸込口が詰まると起きるトラブル
業務用エアコンの吸込口が詰まると、風が弱くなる・冷暖房の効きが悪い・水漏れが起こるなど、さまざまなトラブルが発生します。これらは単なる汚れの蓄積に見えても、放置すると熱交換器の故障や内部漏電の原因になることもあるため、早めの対応が重要です。
風が弱くなる・冷暖房効率が下がる
吸込口がホコリや汚れで塞がると、エアコン内部に空気が取り込まれにくくなります。結果として、風量が減り、室内全体に十分な冷暖房が行き渡らなくなります。特に業務用エアコンは広い空間をカバーするため、吸込口の詰まりが発生すると体感温度が2〜3℃下がることもあります。
水漏れ・結露トラブルの原因にもなる
吸込口が詰まると、内部の湿気が排出されず、ドレンパンやドレンホースに水が溜まりやすくなります。この状態を放置すると結露水が逆流し、天井から水が滴る「水漏れトラブル」に発展します。実際、水漏れの約3割はフィルターや吸込口の汚れが原因といわれています。
電気代の上昇・故障リスクの増加
空気の流れが悪くなると、エアコンは設定温度に達するまで余計な電力を消費します。その結果、消費電力が10〜20%増加し、運転音が大きくなることも。さらにモーターやコンプレッサーへの負荷が増すため、寿命を縮める要因にもなります。
業務用エアコンの吸込口が詰まる主な原因
吸込口の詰まりは、単なるホコリだけでなく、使用環境や清掃頻度、設置条件によっても異なります。ここでは主な原因を整理します。
フィルターの目詰まり(ホコリ・花粉・油煙など)
最も多いのが、フィルターの目詰まりです。オフィスでは紙粉や埃、飲食店では油煙が吸い込まれ、目の細かいフィルターに堆積します。汚れが蓄積すると空気が通りにくくなり、風量の低下・熱交換効率の悪化を招きます。
特に厨房など油煙が発生する場所では、フィルターが1〜2か月でベタつき汚れに変わり、通常の掃除機では落ちにくくなります。この場合、中性洗剤を使った水洗いが有効です。
吸込口周辺のホコリや汚れの堆積
吸込口周辺の天井やパネルにホコリが付着している場合も、空気の流れを妨げます。特に吹出口のすぐ近くにある照明器具や壁面に汚れが溜まると、吸込口へ再付着する悪循環が生まれます。天井カセット型のエアコンでは、吸込口パネルの外側も定期的に拭き取りが必要です。
内部ドレンの水分やカビによる詰まり
長期間清掃を行わないと、内部のドレンパンやドレンホースにカビやスライム状の汚れが発生します。これが固まり、排水経路の詰まりにつながることもあります。
詰まった状態で運転を続けると、ドレン水が逆流し、室内機から水漏れを起こすこともあります。ドレン経路の清掃は、定期メンテナンスで確認することが大切です。
長期間のメンテナンス不足による熱交換器汚れ
フィルターで取りきれなかった微細な汚れが、熱交換器(アルミフィン)に付着すると、冷暖房の熱交換がうまく行えなくなります。この状態が続くと、運転時の温度差が大きくなり、冷媒ガスや圧縮機への負担が増加します。
熱交換器の清掃は分解作業を伴うため、専門業者によるクリーニングが必要です。
吸込口詰まりの原因と対策一覧
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主な原因 |
発生症状 |
対策方法 |
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フィルターの汚れ |
風量低下・異音・冷暖房効率低下 |
フィルター清掃・水洗い |
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吸込口のホコリ付着 |
吸込不良・送風不均一 |
吸込口周囲の拭き取り清掃 |
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ドレン詰まり・カビ |
水漏れ・カビ臭 |
ドレンホース点検・内部洗浄 |
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熱交換器の汚れ |
効率低下・過負荷運転 |
専門業者による分解洗浄 |
自分でできる吸込口の清掃・改善手順
吸込口の詰まりは、正しい方法で清掃すれば誰でも改善可能です。
ただし、感電や破損を防ぐため、内部の分解は行わないようにしましょう。
清掃前の準備と安全確認
作業前に必ずブレーカーを落として電源を切ることが重要です。運転中にフィルターを外すと、ファンが回転して危険です。また、脚立を使用する際は安定した床に設置し、天井のパネルを外す場合は2人以上で作業するのが安心です。
吸込口カバーとフィルターの取り外し方
- 吸込口パネルを手前にゆっくり開けます。
- フィルターをスライドして取り外します。
- 強く引っ張らず、両手で均等に力をかけるのがポイント。
ホコリが舞い散るため、マスク・軍手・掃除機を準備しておくと便利です。
掃除機でのホコリ除去と水洗いのコツ
掃除機で表面のホコリを吸い取ったあと、ぬるま湯と中性洗剤で優しく洗います。汚れがひどい場合は、10分ほどつけ置きしてから柔らかいブラシでこすりましょう。洗浄後は完全に乾燥させてから取り付けます。濡れたままだとカビが発生しやすくなります。
清掃のポイント
- フィルターは月1回を目安に清掃
- 強い水流・高圧洗浄機は使用しない
- 吸込口周辺(パネル外側・天井まわり)も一緒に拭き取り
それでも改善しない場合に考えられる内部要因
吸込口やフィルターを清掃しても風量や冷暖房能力が回復しない場合、原因はエアコン内部の構造部品にある可能性があります。
ここからは、専門業者による点検・修理が必要なケースを解説します。
熱交換器やドレンパンの詰まり
フィルターを通過した微細な汚れは、やがて熱交換器(アルミフィン)に付着します。フィンの隙間が目詰まりすると、冷暖房の熱交換がうまく行えず、エアコンの性能が著しく低下します。さらに、熱交換器の下部にあるドレンパンにもホコリやカビが溜まりやすく、水が流れずに逆流して水漏れを起こすケースもあります。
これらは分解洗浄(内部洗浄)によってのみ解消できます。専門業者による高圧洗浄で、アルミフィンやドレン経路の汚れを除去することで、風量や熱効率が回復します。
ファンモーターや内部ファンの汚れ
室内機内部の「クロスフローファン」や「シロッコファン」にホコリが付着すると、回転バランスが崩れて振動や異音が発生します。ファンに汚れが固着すると、風の流れが乱れ、吸込口の詰まりが再発しやすくなります。
この場合も、専門業者による分解クリーニングが必要です。
内部水漏れ・カビ・油煙による閉塞
飲食店や厨房では、油煙が内部に付着し、ホコリや湿気と混ざって粘着状の汚れを作ります。これが冷媒管や排水経路にこびりつくと、風量低下だけでなく異臭やカビの発生源にもなります。放置すると電気部品にも悪影響を及ぼし、絶縁劣化による漏電リスクが高まるため注意が必要です。
業者依頼時の費用目安
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作業内容 |
費用相場 |
効果 |
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吸込口・フィルター清掃 |
約1万円前後 |
風量・風向改善 |
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内部高圧洗浄(熱交換器) |
2〜4万円 |
冷暖房効率回復 |
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ドレンホース清掃・詰まり除去 |
3〜5万円 |
水漏れ防止 |
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ファンモーター洗浄・交換 |
5〜10万円 |
異音・風量改善 |
※複数台同時施工の場合は割引が適用される場合もあります。
業務用エアコンの吸込口詰まりを防ぐ定期メンテナンスとポイント
吸込口の清掃は一時的な対応に過ぎません。トラブルを未然に防ぐには、定期メンテナンスを習慣化することが重要です。
定期清掃の頻度と内容
一般的なオフィスや店舗では、以下の清掃スケジュールが理想的です。
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項目 |
頻度 |
内容 |
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フィルター清掃 |
2〜4週間に1回 |
掃除機・水洗い |
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吸込口パネル拭き取り |
1か月に1回 |
外装・吸気口清掃 |
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専門業者による点検 |
年1〜2回 |
内部洗浄・圧力点検 |
厨房・工場など粉塵や油煙が多い環境では、清掃頻度を倍に設定するのが理想です。
環境に応じた清掃サイクル
オフィス・店舗
月1回のフィルター清掃
飲食店(厨房)
2週間に1回+年2回の業者清掃
製造工場
粉塵が多い場合は週1回点検
汚れの蓄積を防ぐことで、エアコン内部の熱効率が安定し、電気代を年間で5〜10%削減できるケースもあります。
プロ清掃と自社清掃の使い分け方
自社で行う日常清掃(フィルター・吸込口周り)に加え、年1回のプロによる分解洗浄を組み合わせることで、最も高い効果を発揮します。
特に繁忙期前の6〜9月(冷房)・11〜12月(暖房)前に実施することで、トラブルを防止できます。
フィルター交換や抗菌コートの活用
近年では、抗菌・防カビコートを施したフィルターや吸気パネルも普及しています。
これを導入することで、ホコリや菌の付着を抑え、清掃頻度を軽減できます。
特に長期稼働が多い施設や飲食店には効果的です。
まとめ|吸込口を清潔に保って快適&省エネ運転を実現
吸込口の詰まりは、業務用エアコンの風量や冷暖房効率を低下させるだけでなく、水漏れ・故障・電気代の増加といった二次的トラブルを引き起こします。まずはフィルターと吸込口の清掃を定期的に行い、空気の流れを確保することが第一歩です。それでも改善しない場合は、専門業者による内部洗浄や点検を依頼しましょう。
定期メンテナンスを続けることで、設備寿命を延ばしながら快適な室内環境を維持できます。清潔な吸込口こそ、快適で経済的な空調運用の基本です。
「掃除しても風が弱い」「水漏れが止まらない」「内部から異音がする」
そんな症状は、吸込口の奥でトラブルが進行しているサインです。
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